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人の悩みに振り回される美容院経営者たち。
経営に重要なものは昔から「人、カネ、モノ」と言われてきました。今の時代はそれに一つ追加して、「情報」が加えられるでしょう。
人、カネ、モノ、情報。
この4つで一番、美容院経営者の頭を悩ませるのは、なんでしょうか??
職場の退職者の理由を取った以下のアンケート結果を見てみると、
給与などの労働条件よりも、人間関係が退職の引き金に
退職理由のホンネランキングトップ3には人間関係に対する不満が2つもランクイン。2位には、「長時間勤務」や「休みが取れない」、4位には「給与が低い」などの労働時間・環境に対する不満が挙がった。
労働条件よりも人間関係の不満で仕事を辞める人が多く、特に上司や経営者など、自分より地位の高い人との人間関係がネックのようだ。
リクナビNEXTより引用
ぶっちぎりで「人」に関する事での退職が多い事に気が付きます。
従業員のみなさん、人で悩んで会社を辞めてる、仕事を断念している、という結果です。
これ以外にも平成25年雇用動向調査結果の概況と結果という、厚生労働省が発表しているデータもあるが、事業所や役所の申告を受けて統計を取っている以上、退職者個人にインタビューした前記の記事のほうがより真実に迫っているといえるでしょう。
所属している従業員以外にも、経営者であるオーナーも「人」で悩む方が多い気がします。少なくとも私の知っている美容院経営者の方々は…。
さて、そんな「人」に対する悩み多き美容院経営者という立場の人間はこの問題とどう向き合ったらよいのでしょうか??
僕が考える答えの一つは…
課題を切り離して考えろ
経営上で出る問題は「コントロールできる問題」と「コントロールできない問題」の2つに分ける事ができます。
コントロールできる問題とは、広告戦略だったり単価アップ戦略、来店周期の短縮、新たな求人の広告の制作等ですが、
スタッフが退社する、等は「コントロール不可」の部類に入ります。
その2つの問題を、くっつけて考えてはいけません。
もともと別々の問題だからです。
そして、 経営者なら限られた「時間という貴重な資源」をどちらに多く割り当てるべきか、は言うまでもありませんね。
なぜ、悩みはでるのか??
「コントロールできる問題」に取り組んでいないから悩みが出るんです。
経営努力や労力などでいかようにも「コントロールできる問題」であれば、それは悩みというよりむしろ「改善案」というポジティブな問題なはずです。
自分自身がコントロールできない問題に取り組むのは、はっきり言って経営者として時間の無駄です。悩みごとの種になるのは決まって「自分がコントロールできない事」なのです。
「悩む」と「考える」は似ているようで全然違う
2つの課題を切り離して考える事で初めて経営者は「悩む」から「考える」に脳の思考を移行できます。悩む、と、考える、は似ているようなニュアンスの言葉ですが、両者の性質は全く異なります。
「悩む」という行為は「解決できないかもしれない」、というスタンスですが、考える、という行為はあくまで「その問題は解決できる」、という前提に立って思考を進める事を言います。
では、切り離して考えると、
あなたが不安に思っている事は、本当は「その人」が退社する事そのものではないはずです。
経営者としてのあなたが本当に心配しているのは、スタッフの退社によって引き起こされる、店の売り上げの損失や利益の減少、についてではないでしょうか。
それは確実に努力次第でコントロールできます。
コントロールできない事や、あとあと考えてもしょうがない事で頭を「悩ます」のは、今できる「コントロールできる事」に集中していない証拠です。
そして、スタッフの退社は一切「コントロールできない」部類の課題だという事も認識しましょう。
私が大好きなバンドの一つの「ブルーハーツ」の歌の一節をご紹介しましょう。
「どうにもできない事なんて、どうにでもなっていいこと」
少年の詩 / THE BLUE HEARTS(作詞・作曲:甲本ヒロト)
美容院経営で大切な「2つのこと」
もう一つ、経営で大切な2つの事をご紹介します。その2つとは、
「重要な事」か、「重要じゃない事」か、です。
起こる様々な経営上の問題で「重要か否か」それを決めるのはリーダーであるあなたしかいません。
「コントロールできる事=重要な事」
「コントロールできない事=悩んだところでしょうもない事」
と解釈してもらってもよいでしょう。
物事には優先順位があり、その順位の判断をすることが小さなサロンの経営者の大切な仕事となります。
「優良顧客を獲得し、維持すること以外の悩みなんてオマケみたいなもの」です。経営者として「コントロールできる問題」に全力を取り組み、時間と労力を無駄にしないでください。
最後に大事なのでもう一度、書きます。
「重要じゃない事で悩むな!しょせんそれは重要じゃない事。」